産業を振興する

三十郎の政策レシピ1

産業の重層構造

子どもさんやお孫さんに地元に残ってもらいたい、あるいは戻ってきてほしいと願っているご家庭は多いと思います。また、子どもさん自身そのように希望している場合も多いのではないかと思います。この願いをかなえるためには、雇用の場の確保・拡大が何よりも重要です。
そのためには、地域の産業振興を図らなくてはなりません。地方の経済は、産業が重層構造となっていることが大切です。すなわち工業、商業・サービス業、農業、観光業などがバランスよくそろっている状態です。
米沢は幸いなことに重層構造となっておりますので、この強みを大事にしながら伸ばしてゆくべきであると考えています。

工業の振興 企業精神の育成も

工業における振興策として主なものを三点挙げます。一つ目は企業誘致です。八幡原工業団地は、都会から地方への工場移転の大きな流れの中で造成されましたが、オフィス・アルカディアが造成された頃には、地方にではなく、海外に移転させる流れとなっておりましたので、企業誘致は苦戦してきました。しかし、地道な企業訪問を重ねるうちに、近年工場の海外移転が一部国内回帰に変わってきたこともあり、昨年もオフィス・アルカディアに一社立地決定(建設中)、今年もオフィス・アルカディアと八幡原工業団地へ企業の進出が予定されています。
二つ目は山形大学工学部から生み出される新産業の支援です。工学部では白色有機EL照明・蓄電デバイス・有機トランジスタなど様々な研究がなされています。これらが製品化されるためには、学内での基礎研究に続き、企業も加わっての応用研究が必要です。その応用研究施設がオフィス・アルカディアに次々立地していますが、市では敷地の無償貸与や建設費の一部補助などを行っています。新しい産業が生まれてくれば、当然雇用の機会が増えてくるからです。
三つ目は、子どもたちに対して、自分で会社を創る、自分で商売を始めるという道もあることを分かってもらうための手立てです。間もなく、市が制作中の「明日の大樹」という本が市内の全ての中学生に配られます。この本には三つの会社の物語が載っています。いずれも、地方において夫婦や数人の仲間で始めた会社が、困難を乗り越えながら大きくなってきた話です。始めから大きな会社、安定した会社に入るだけが〝成功〟ではなく、ゼロからの挑戦をする道もあることを知ってほしいと思います。

チャレンジする商店街

近年、地元商店街の動きが活発化してきたと感じています。5月に「春バル」に参加しました。「バル」とはスペイン語で居酒屋です。昨年11月の初バルに続くもので、市内の店をハシゴをして飲み歩き、食べ歩きするイベントです。参加者がこれをきっかけに店の新しい客となり、さらには誰かを連れてくる、すなわち客が客を増やすという図式をねらっています。
他にも、店の得意技を客に伝授する「まちなかゼミナール」、店の目玉商品を創りだし、磨いて店の魅力をアピールする「一店逸品運動」などが展開されていますが、これらは市が経費の上で支援しているものです。
12月には、街なかに新文化複合施設が完成しますので、これに求心力を持たせて、人が集まってくる街なかにすることで、頑張る商店街に弾みをつけたいと考えています。

米沢の農産物の魅力発信

先日、女性農業委員の方々と話をする機会がありました。一人は雪菜を栽培、また一人はさくらんぼ園を経営し、もう一人はハーブ園と栗園を開いておられました。多様多彩な農業を展開している彼女たちの活動は、米沢の農業に明るい希望をもたらしています。
市ではここ数年アンテナショップ・レストランを開いてきました。具体的には都内の日本料理店やフランス料理店などで、米沢の食材や伝統野菜を用いた料理を一定期間お出しするフェアです。また市内でも若手料理人たちにより、地元の伝統野菜や旬の野菜を使った創作料理への挑戦「米沢ベジタブル・チャレンジャーズ・フェア」が開催されています。いずれも米沢の農産物の魅力を広く知ってもらい、消費の拡大、生産量の増加を図る試みです。
さらに今年の1月からは、ふるさと納税の返礼品の品揃えを大幅に増やし、価格も5,000円相当のものに引き上げました。やはり、全国の皆さまに米沢の産品のすばらしさを知ってもらい、リピーターを増やす目的を持っています。
再来年には道の駅ができます。ここでも、米沢の産品の魅力を広く発信し、消費の拡大につなげてゆきます。

大躍進が可能な観光

一昨年、発掘調査中の館山城から、東北地方で最も早く築かれた石垣が発見されました。伊達政宗の山城に上杉景勝が築いた石垣です。昨年9月にはキャロライン・ケネディ駐日大使が「なせばなる秋まつり」に来られ、ケネディ大統領が上杉鷹山を尊敬していたことを証言していかれました。そして今年、4月から連続11回で「かぶき者慶次」がNHKで放送されました。米沢の観光にとっては大きな幸運が連続しています。
これらの歴史観光にプラスして、米沢牛を代表とする美味しい食べ物、米沢八湯と称される温泉、四季の景色が鮮やかに変化する周りの山々、そして何より「おもてなし」たっぷりの市民性。米沢は観光地としてブレイク(飛躍的発展)することが十分可能です。
ただ、上杉の城下町でありながら、城下町風情に乏しいという弱点を持っています。これを補うため、東寺町の黒板塀設置を始めとする伝統的景観の形成、花と樹木におおわれたまちづくりの推進などによって、美しいまちなみを作り、後世への財産としてゆく考えです。

なるべき道を探す賢さ

該当演説「ならぬは人のなさぬなりけり」とは上杉鷹山の有名な歌の下の句ですが、私はこれを「なるべき道を探す賢さ」と変えて、職員を激励してきました。これからもこの精神を高く掲げ、市民の総力を結集し、知恵を絞って産業の振興に努めて参ります。市民の皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。

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