市民が主役のまちづくりを進める

三十郎の政策レシピ6

本当によいまちとは

私はかねてから「まちづくりはレストラン方式ではなく、芋煮会方式で」ということを述べてまいりました。レストラン方式とは行政サービスを提供する行政(市役所)側とサービスを受ける市民側に分かれることです。税金を払っているという理由から、市民は各方面によりよいサービスを求めますが、なかなか満足できないということにもなりがちです。一方、芋煮会方式というのは、市民みんながまちづくりに参加して、ワイワイガヤガヤ楽しみながら、良いまちを作り上げてゆこうとするものです。市民にとって本当によいまちとは、市民がまちづくり(市政)に主体的に参画するまちであるとの信念から、私はこれまで芋煮会方式のまちづくりを心掛けてきました。

輝くわがまち創造事業

愛宕地区のドッグランその具体的な事業が「輝くわがまち創造事業」だと考えています。米沢市は十七地区に分けられますが、それぞれの地区が地域の資源を生かして、住民自らが事業を企画・実施し、魅力ある地区を創ってゆこうとするもので、一年目は企画立案、二年目からは三年間で事業実施。市から出る事業費は人口の多い地区も少ない地区も一律百万円(三年間で三百万円)というものです。
今年が事業の最終年度ですが、各地区で特色ある事業が展開されています。地区民に限らず市民が誰でも楽しめるパークゴルフ場やドッグラン(犬を放して遊ばせる施設)を労力奉仕で造り市民交流を果たしている地区、コミセンレストランを開いて地元の餅米や野菜を使った伝統料理を広く披露し、未来に向けての地域発展を探ろうとする地区など魅力的な事例が数多く生まれていますが、いずれも「住民自らの手で地域をよくしてゆこう」という意識の広がりが強く感じられるものばかりです。ぜひ、この事業の続編を計画したいものです。

もともとの市民力

では、市民のまちづくり参加意識が「輝くわがまち創造事業」によって突然高まったのかと言えば、そうではないと考えています。それ以前から意識の高まりはあったと思います。その一つが六年前のNHK大河ドラマ「天地人」放送時における市民の「おもてなし」ぶりです。押し寄せるたくさんの観光客。その方々に対する市民の親切さが色々なところで話題になりました。そして、その二年後に発生した東日本大震災。この時も市民が協力して被災地救援・避難者支援に当たり、これも様々なところで評判となりました。現在も市内には避難者の方が八百人以上おられますし、震災発生以来、私のところへは何通もの感謝の葉書・手紙が届いています。これらは米沢市民が潜在的に有している優しさと、いざという時に発揮する団結力を示していると受け止めています。米沢市民の大事な財産です。

新たな地域づくりの力

「輝くわがまち創造事業」と並行して、市民による新たな地域づくりも進んでいます。その代表例として有名なのは三沢地区の「田んぼアート」です。今年で十年目、JAや地域の力の結集によるもので市は経費のバックアップをしています。また、関地区で二年前から始まった中学生の「教育旅行」受け入れ。千葉県や宮城県の中学生約百二十人が十数戸の家庭で宿泊・お手伝いの体験をするもので、これも市の農林予算で実施されています。さらには山上地区の中学生修学旅行の歓迎。上杉鷹山と師の細井平洲(東海市出身)の師弟愛に触れる目的で姉妹都市・東海市の全ての中学生(六校)が関根の羽黒神社・普門院を訪れますが、その子どもたちを地区を挙げて歓迎しています。この時に市の秘書広報課職員によって演じられる約十五分の「鷹山と平洲に学ぶ」劇が中学生に人気です。

市民力で市の飛躍を

帝人里帰りツアーでの観光案内これらの市民力の高まりを活用して、米沢の産業を始めとする総合的な発展を図ってゆきたいと考えています。例えば、大正七年に米沢で産ぶ声を上げた帝人。当時の産業条件から内陸では発展出来ず、広島市を始め瀬戸内海各都市に工場が移りました。帝人には米沢に戻って欲しい、新しい分野での事業展開をする時はぜひ米沢で、と呼びかけています。西部地区の方々が帝人碑のある館山公園をいつもきれいにして下さっているのは、この運動にとっての本当に有難い応援です。
また、都会からの移住政策も強力に押し進めようとしていますが、関地区の教育旅行受入れは都会のご家族とのつながりを生み出す第一歩として大きな期待が持てます。さらに三沢地区の田んぼアートは現実に小野川温泉の誘客に大きな役割を果たしています。

市民が主役

私たちにはそれぞれ望みがあります。経済的にゆとりのある生活がしたい、子どもや孫に囲まれて暮らしたい、となり近所仲良くしたいなど様々です。その実現のためには、市民が本当にまちの主役になることが肝心です。米沢の最も米沢らしい理想の姿「経済の豊かさと精神の豊かさが調和するまち」を市民みんなの力の結集で実現していきましょう。

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